食べる喜び回復を
東播磨 専門家が対策ネットワーク
飲み込む機能低下 摂食嚥下障害
病気の後遺症などさまざまな理由で食べることができなくなる「摂食嚥下障害」に対する取り組みが、
東播磨三市二町(明石、加古川、高砂市、加古郡稲美、播磨町)で始まった。
アンケートで実態を調査。保健、医療、福祉の関係者がネットワークづくりに乗り出している。
(坂本 勝)
摂食嚥下障害は、食べ物を食べたり飲み込むという基本的機能が衰えること。
脳血管疾患などで障害を受けたり、加齢が原因とされる。また、鼻から胃まで管を入れ、
栄養を送る経管栄養や、腹部に管を通す胃痩などの方法が、
食べる楽しみを奪っているとの見方もある。
東播磨では加古川健康福祉事務所を主体に、医師や歯科衛生士、栄養士らが参加する
「東播磨圏域摂食嚥下障害対策ネットワーク構築事業」の検討委員会が二〇〇三年十月、発足した。
東播磨三市二町の病院などの入院・入所施設と訪問看護ステーションなどの在宅施設に実態調査。
同十一月には同ネットワーク構築フォーラムを開いた。
実態調査では、摂食嚥下障害の患者がいる入院・入所施設は全体の89.2%、在宅施設で62.5%。
脳血管疾患が入所、在宅共に多く、在宅では筋神経系難病が全体の五割を超えた。
入院・入所施設の93.8%、在宅施設の74.0%は患者の接触の観察などの対応を迫られ、
経管栄養の指導をしている入院・入所施設は全体の60.7%、在宅施設では42.8%に上った。
個別意見では「病院に行くとすぐに経管栄養や胃痩を勧められ、安易な医者の判断に腹が立つ」
「基本的な嚥下の仕組みを介護職員が知らない」などの指摘もあった。
今後、継続的な勉強会や他職種との連携、情報の共有などが課題だ。
明石市医師会の戸田和夫理事は「食の楽しみをもう一度、取り戻したいと思う患者が増えてきた。
施設によっては対応策が練られておらず、医師や歯科医師、言語聴覚士ら専門職種による
チームアプローチが必要」と話す。